トルコ航空 TK53便 機内食レポート

iPhoneのメモ帳を見返していたところ、留学出発当時に書き残した文章を見つけた。人生初単独フライトの機内食レポートだ。ルクセンブルクを目指してターキッシュエアラインズに揺られていた自分の初々しい気持ちが蘇った。

ルクセンブルク大学には現在日本人留学生が8人いる。そのうちの1人、京大生のじゅんやは稀に見る旅好きだ。

彼は毎週のように各国へ赴いているようで、一緒に履修したはずの言語学の講義でも姿を見せなくなってしまった。偶に会うと、サハラ砂漠でラクダに乗った話、乗り継ぎの空港で中華風調味料の味覇を没収されてしまった話などをしてくれる。マラケシュ、トゥールーズ、トロムソ、等々色々なカタカナが出てくる。私は旅行そのものにあまり関心がないので、知らない地名を言われながら、ほうほう、へえ、と半分聞き流してしまっていることが多いというのは彼に秘密にしてほしい。

そんな彼のイチオシの航空会社が私が揺られていたターキッシュエアラインズだ。機内食の評判が非常にいいらしい。

ここからは残っていたメモを頼りに書いていく。

ご飯タイムになると客室乗務員がワゴンを転がして前方の席から順に配膳を始める。台車の上段にはティーポット、コーヒーポット、パックのジュース、ペットボトル、プラコップの筒などが並び、やや雑然としている。中段にはピンク色と水色のアルミホイルの包みが積まれていた。

主菜は「fish or chicken, sir?」から選び、客室乗務員がアルミホイルの色を見て判断し、渡してくれる。前の席の背もたれにメニューが刺さっていたので、離陸前からそれを熟読して、随分と長い間どちらを選択するべきか、うんうん悩んでいた。こちらがそのメニューだ。

トルコ航空TK53便機内食メニュー
メニューの形が洒落ている。

fish or chicken、と聞かれたら8割方「肉!」と答える私だが、日本から離れていく機内ではすでに和食に懐かしさを覚えていた。しばらく本物の日本食を食べることはないのかと考え、思わず和風に調理されたfishを選んでしまった。

配膳されたピンク色のアルミホイルの中身はこうだ。

中央に見えるのが鯖のフライ、大根おろしソース、和風野菜、俵御飯だ。さすが和食、やさしい味付けだ。右上にあるのが羊飼いのサラダ、ホワイトチーズ。きゅうりとトマトを小さくサイコロ状に刻んだ水々しいサラダだ。ホワイトチーズが美味しく、おかげで苦手なきゅうりも完食できた。その隣がスモークサーモンとセロリのサラダ。あれは本当にセロリだったのだろうか。マヨネーズの酸味が強くてよくわからなかった。同じプレートの中でも味付けで和と洋の間に隔たりを感じた。

fish or chickenとは別に、飲み物は何が欲しいかを聞かれる。私は試しにレモネードを頼んでみた。味が濃かったが、それが美味しかった。機内で口にするものは、気圧の関係で弱まった人間の味覚に合わせて味が濃くしてあると聞いたことがある。それが今回関係しているのかはわからない。レモネードをください、と頼んだらI will bring itと言ってどこか奥の方からすぐに持って来てくれた。 レモネードはあまり注文を受けないので、ワゴンの上段には備えていないのだろう。

私の隣に座っていたお二方はsour cherry juiceを頼み、2つのプラコップに真っ赤なジュースが注がれた。その赤さが若干気になった。

もう一度写真を見ていただきたい。カトラリーが鉄製だ。これだけで食事の格が上がった感じがする。主菜の皿は白く、プラスチック製だが厚みがある。その下にはもう一枚平たい皿が敷かれている。皿を重ねること、これもまた格上げに貢献しているわけだ。プラコップは薄くしなやかな素材。直線で幾何学的な模様が描かれていた。トルコに由来する模様なのかもしれない、と思った。 トルコ航空の機内食は味も悪くないが、食器やサービスなどを含めて総合的に判断すると、評判がいいのも納得できた。

主菜の左に丸いパンがあると思う。これは食事中に「want bread?」と声を掛けられて顔を向けたらトングの先に挟んでほい、と渡されたものだ。はい、と手で受け取った。温かかったので、塗ったバターが溶けるのを期待したが、待ってるのがばかばかしくなり塗っては食べ、塗っては食べを繰り返した。

トルコ航空TK53便機内食お手拭き
ケチャップだと思っていたらお手拭きでした。

機内食2食目のメモは以下の通りだ。(原文ママ)

寝不足寝起きで進まず。でも美味しくはあった。

以上が日本・成田国際空港からトルコ・イスタンブール空港の移動でお世話になったTK53便の機内食レポートだ。

後記

イスタンブール空港からルクセンブルク・フィンデル空港の移動はトルコ航空TK1353便だった。親子に挟まれてしまったので、座席を交換してあげた。53便よりも短いフライトだったが機内食が1食提供された。チーズとトマトの組み合わせが美味しかった。無色透明の水が入ったビニールの入れ物にspring waterとラベルの貼られたものがあった。なぜわざわざ水をパッケージングするのか、この水は何のためにあるのか、どうするものなんだろうと考えていたら、隣に座っていた女の子が自分のspring waterを勢いよく飲み干したので、私も真似して一口で飲み干した。

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